『デッドプール2』のコメディの中に見る社会問題と時代背景

日本でも大ヒット映画となった『デッドプール2』ですが、世界的にもまだまだヒットを続けて、興行収入的にも記録を塗り替えています。そんな『デッドプール2 』の中に度々登場する「X–メン」ですが、デッドプールは「X–メン」とは切っても切り離せない関係です。
今回はそのデッドプールに登場する「X–メン」の作られた背景とデッドプールとの関わりを調べてみました。

「デッドプール2」の根底にある社会問題とX-メン

『デッドプール2』の中で「X–メン」のメンバーになるように説得されるデッドプールがこんなセリフを言います。「X–メンは1960年台の人種差別のメタファーなんだよ」と。その通りで「X–メン」が作られた背景には、当時の黒人差別の現状を描いているのです。

マーベルコミック「X–メン」が登場したのは1963年で、スタン・リーが原作者です。この当時黒人差別に対する公民権運動が行われていました。キング牧師は非暴力で黒人の権利を勝ち取ろうとしていました。それに対し同じ黒人の権利を勝ち取ろうとしていたマルコムXは、黒人を差別する人達を攻撃しようという考え方でした。この同じ目的でも手段が違う2人の事を「X–メン」では描いています。

キング牧師のように穏健派なのがプロフェッサーX率いるX–メンで、マルコムXのように過激派なのがマグニート達なのです。
「X–メン」はヒーローだけど、人間を守るヒーローではありません。X–メンは人間から自分達と同じミュータントを守るのが目的です。これは当時黒人差別の様子をスタン・リーがX–メンを通して描いたからだったのです。

もう1つ「X–メン」が差別について描いている事実があります。なぜマグニートがミュータントを差別する人間に攻撃しようとしたかというと、幼い頃の経験によるからです。マグニートはユダヤ人で、子供の頃ホロコーストに連れていかれています。彼は生き残りますが、彼の両親はホロコーストの中で殺されてしまったのです。
その経験からマグニートは人間の差別に対する行動が許せず、また自分達もあの時と同じように殺されてしまうかもと思い、人間と戦おうとしていたのです。

「Xーメン」の中でホロコーストが描かれているのは原作者スタン・リーの経験からです。彼自身はホロコーストを経験しているわけではありませんが、彼の両親はルーマニア系ユダヤ人で移民です。そんな両親の周りの人達が経験した差別を「X–メン」の中に入れたのでした。

単なるコミックと思われがちな「X–メン」ですがそこには差別に対するスタン・リーの気持ちが強く反映されている作品といわれています。その系列である『デッドプール2』でも差別について言及しているシーンも出てきます。
作品が出来た時代背景などを考えながら映画を観ると、娯楽映画のような作品も違った視点で見ることができます。

 

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