映画『メッセージ』で陥るパラレルワールドの不思議

SF映画『メッセージ』にはヘプタポッドと名付けられるエイリアンが登場します。彼らの世界には過去・現在・未来という時間軸がありません。彼らが地球に来た目的は3000年後に地球人に助けたもらうために、地球人を助けに来たのです。
ここまでは理解できるのですが、見続けて行くうちに腑に落ちない点が出て来ます。そしてそればかり考えていると抜け出せなくなってしまう世界があります。
今回はそんな『メッセージ』の不思議な点について考えてみました。

「メッセージ」パラレルワールド1・・・世界共通言語がわかる理由の不思議

『メッセージ』の主人公ルイーズは言語学者です。そのためにエイリアンの言語調べるために政府に呼ばれます。彼女は次第にエイリアンとコミュケーションが取れるようになり、なぜエイリアンが地球に来たのかを知ることになります。そして彼らは人間を助けるために言語を教えに来たのだと。

その言語「世界共通言語」があれば戦争も行われず、核兵器による地球の破滅もなくなります。そこまで分かった時に、ルイーズはその言葉を理解しようとしますが、現時点では全くわかりません。しかし、しばらくすると彼女は「分かる」と言って本当に彼らの言語が理解できるのです。

ではなぜ彼女はエイリアンの言語が理解できたのでしょうか?それは未来の自分が「ヘプタポッド文字を理解し本を書いています。それをフラッシュバック映像で見たことによって理解できたわけです。

しかしこのシーン落ち着いて考えると、その未来の自分はどうやって「世界共通言語」を理解したわけ?となってしまいます。
それは未来の自分も同じようにフラッシュバック映像でとなると、またそこで同じ疑問がわきグルグルと回っているパラレルワールドに引きこまれてしまいます。

「メッセージ」パラレルワールド2・・・中国の将軍の電話番号の不思議

「世界共通言語」を理解した時と同じような事がさらに起こります。
ルイーズはエイリアンに攻撃を仕掛けようとしている中国に攻撃をやめさせるために、将軍に直接電話をかけます。しかしルイーズは電話番号を当たり前ですが知りません。

ではどうやってルイーズは電話番号を知ったのでしょうか?それも未来からです。未来の自分の「世界共通言語」の本の出版パーティーに将軍がきています。そこで将軍と話し電話番号を聞きます。さらにその時に将軍がルイーズに言った言葉を、現在で将軍に伝えた事で、中国は攻撃を止めるのです。

こうなると同じです。じゃあなぜルイーズはその言葉を将軍から聞けたの?となってしまうわけです。これはタイムパラドックスです。未来の自分から教えてもらって、現在の問題を解決しているわけです。
このことを考え始めると、答えは見つからずぐるぐる回っているので、訳がわからなくなってしまいます。

『メッセージ』は最初と最後のシーンも同じだし、エイリアンには時間軸がなく輪のように時間は回っています。
そう考えるとパラレルワールドのぐるぐる回ってしまうというのも、ちょっと理解できるかもしれません。監督はこの映画全体を輪で表現していたかもしれません。
ちょっと難しくて理解できないことも、何回も見ると少しわかってきます。そんな何度も見る面白さも『メッセージ』にはあります。

映画『メッセージ』に込められた意味とテーマ

『メッセージ』は分類的にはSF映画として分類されます。それは地球に宇宙人がやってくる物語だからです。
しかしそれは表面的な物語であって、実は『メッセージ』のかなには大きく分けて3つのテーマが込められています。『メッセージ』の奥にある、3つの構成からその意味を探ってみたいと思います。

映画『メッセージ』のテーマ①・・・「死」

この映画の冒頭は死から始まります。主人公のルイーズの娘ハンナが死ぬシーンが冒頭で描かれています。映画の最初が「死」から始まる作品はあまりないと思いますが、『メッセージ』は死でスタートします。

しかしこれはラストまで見ると分かるのですが、この死は過去の出来事ではなかったのです。これから先に起こる未来の出来事だったのです。でもこれは最後まで映画を見ないと観客には分かりません。つまり私たちは最後まで娘が死んだと思って映画を見ています。

物語の途中でもルイーズの頭に何度も娘がフラッシュバックしてきます。そのシーンでルイーズは娘の死を忘れられていないと思ってしまいます。
これは監督の狙いで、映画を見ている間に私たちに「死」というものを考えさせるようにしていたのです。

映画『メッセージ』のテーマ②・・・時間の概念

これは①の死が実は未来のことだったという事と繋がってくる事ですが、この映画の中には過去、現在、未来という時間の概念はありません。時間は直線的なものではなく、ループ状のものだという風に『メッセージ』では描かれています。

私たちは「生」から始まり「死」で終わると思っている人生が、実はどこが始まりなのか分からないという描かれ方をしています。だから、ハンナの死が冒頭で描かれていたのです。
あの時のルイーズにとってはハンナの死は過去のことではなく、これから起きる未来のことだったのです。

そしてこれが監督が『メッセージ』に込めた1番の思い「運命がわかっていた時あなたはどう行きますか?」というところに繋がっていくのです。

映画『メッセージ』のテーマ③・・・言語

主人公のルイーズは言語学者です。そして宇宙人とコミュニケーションを取るために、宇宙人の言語を分析します。
この映画の中ではそれは文字でした。文字を通して宇宙人とコミュニーケーションをとっていきます。そしてそんな未来から来た宇宙人が私たち人間にプレゼントしてくれたのも、言語でした。

この言語が世界を救うのです。この言語によって戦争になろうとしている世界を止める事ができたのです。宇宙人が与えてくれた言語は世界共通言語でした。世界共通言語によって各国が意思疎通ができるようになり平和がやってきます。それを見届けたら宇宙人は地球から去っていってしまいました。

コミュニーケーション不足による様々な問題が起こっている現代に対して、意思疎通の大切さについて考えさせられる場面でもありました。言葉によって世界が1つになったというとても深いシーンでした。

 

このように3つの深いテーマが隠されているのが『メッセージ』でそれぞれに深い意味が込められています。特に時間の概念に関して考えると分からなくなってくることもあります。しかし逆に何度も映画を見ながら理解していくという楽しみもあります。

映画「メッセージ」の概要・あらすじ 原作からの投げかけ

2016年に公開された映画でSF映画ですが、テーマはとても深いものとなっています。
アカデミー賞には8部門でノミネートされ、音響編集賞で受賞しました。
日本では公開前のポスターで真ん中に写っている宇宙船が、お菓子のばかうけに似ているという事で話題にもなっていました。映画の原作のタイトル「あなたの人生の物語」通り、この作品では人生をどう生きるのかという事が問いかけられています。「WHY ARE THEY HERE?」彼らが伝えようとしていることは何なのか?最後まで考えさせられる作品です。

「メッセージ」映画概要・原作

題名:メッセージ
英語題名:Arrival
原作:テッド・チャン「あなたの人生の物語」
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス/ジェレミー・レナー/フォレスト・ウィテカー/マイケル・スタールバーグ

「メッセージ」あらすじ

言語学者のルイーズ・バンクスは娘を病気で失ってしまいます。大切に育てた娘だったので、ルイーズはなかなかそのショックから立ち直れませんでした。
しかしそんな時、世界に12の宇宙船がやってきました。アメリカ政府はルイーズに宇宙人の言語を解読する任務を頼みます。そしてルイーズとともに物理学者のイアンが宇宙人の言語の分析を始めます。

最初は言葉でコミュニケーションをとろうとしますが、難しいと気がつき、文字を使ってコミュニケーションを取る事にしました。ルイーズは宇宙人とコミュニケーションを取りながらも、何度も亡くなった娘のことを夢の中で思い出していました。
宇宙人とやりとりの中で、宇宙人がなぜ地球にやってきたのかを調査して行くうちに、次第にルイーズは宇宙人との距離を縮めていました。

そんなある日、軍の1人が宇宙人に対して地球を征服するかもしれないと思い、爆弾を仕掛けます。それに気がつかず、ルイーズとイアンは宇宙人会い調査を進めていましたが、爆弾が爆発してしまいます。その瞬間2体いた宇宙人の1体は2人を助けてくれたのでした。

宇宙人のおかげで、ルイーズとイアンは助かりますが宇宙人に対する調査はできなくなっていました。しかも中国が宇宙船に対して攻撃をすることを決めてしまいます。そんな時ルイーズは宇宙船の下に行くと、宇宙船からカプセルが降りてきます。
ルイーズはそのカプセルに乗り、宇宙人ともじを使ってコミュニケーションを取ります。
そしてその時にある事実に気がついたのでした。

一見宇宙人とのコミュニケーションの話だと思いがちですが、この映画のテーマはそこではありません。ルイーズが選ばれた事にも意味があり、ラストに驚きの展開が待っていて思わず「そういう事」と声が出そうになってしまいます。最後まで見ないと全てがわからない「メッセージ」。

ぜひ「メッセージ」に隠されて壮大なテーマと向き合って欲しいなと思います。

『デッドプール2』のコメディの中に見る社会問題と時代背景

日本でも大ヒット映画となった『デッドプール2』ですが、世界的にもまだまだヒットを続けて、興行収入的にも記録を塗り替えています。そんな『デッドプール2 』の中に度々登場する「X–メン」ですが、デッドプールは「X–メン」とは切っても切り離せない関係です。
今回はそのデッドプールに登場する「X–メン」の作られた背景とデッドプールとの関わりを調べてみました。

「デッドプール2」の根底にある社会問題とX-メン

『デッドプール2』の中で「X–メン」のメンバーになるように説得されるデッドプールがこんなセリフを言います。「X–メンは1960年台の人種差別のメタファーなんだよ」と。その通りで「X–メン」が作られた背景には、当時の黒人差別の現状を描いているのです。

マーベルコミック「X–メン」が登場したのは1963年で、スタン・リーが原作者です。この当時黒人差別に対する公民権運動が行われていました。キング牧師は非暴力で黒人の権利を勝ち取ろうとしていました。それに対し同じ黒人の権利を勝ち取ろうとしていたマルコムXは、黒人を差別する人達を攻撃しようという考え方でした。この同じ目的でも手段が違う2人の事を「X–メン」では描いています。

キング牧師のように穏健派なのがプロフェッサーX率いるX–メンで、マルコムXのように過激派なのがマグニート達なのです。
「X–メン」はヒーローだけど、人間を守るヒーローではありません。X–メンは人間から自分達と同じミュータントを守るのが目的です。これは当時黒人差別の様子をスタン・リーがX–メンを通して描いたからだったのです。

もう1つ「X–メン」が差別について描いている事実があります。なぜマグニートがミュータントを差別する人間に攻撃しようとしたかというと、幼い頃の経験によるからです。マグニートはユダヤ人で、子供の頃ホロコーストに連れていかれています。彼は生き残りますが、彼の両親はホロコーストの中で殺されてしまったのです。
その経験からマグニートは人間の差別に対する行動が許せず、また自分達もあの時と同じように殺されてしまうかもと思い、人間と戦おうとしていたのです。

「Xーメン」の中でホロコーストが描かれているのは原作者スタン・リーの経験からです。彼自身はホロコーストを経験しているわけではありませんが、彼の両親はルーマニア系ユダヤ人で移民です。そんな両親の周りの人達が経験した差別を「X–メン」の中に入れたのでした。

単なるコミックと思われがちな「X–メン」ですがそこには差別に対するスタン・リーの気持ちが強く反映されている作品といわれています。その系列である『デッドプール2』でも差別について言及しているシーンも出てきます。
作品が出来た時代背景などを考えながら映画を観ると、娯楽映画のような作品も違った視点で見ることができます。

 

映画「デッドプール2」あらすじ・キャスト

映画『デッドプール2』は2018年6月1日に日本でも公開され話題となっている作品です。
公開前には主演を務めるライアン・レイノルズも来日し、同じく『デッドプール2』に出演している忽那汐里さんと一緒にイベントに参加していました。

その甲斐あってか、日本ではどうしても「名探偵コナン」シリーズが根強い人気を持っていますが、そのコナンを破り興行収入で初登場1位を獲得しました。この記録によって『デッドプール2』は全世界83カ国で初登場1位を獲得したことになります。

それだけ、人気映画の『デッドプール2」ですが、マーベル作品やジョークなどという以外にもかなり深いテーマが込められて作品になっています。そしてそれがこれだけのヒットに繋がりました。

「デッドプール2」映画概要

題名:デッドプール2 公式サイト
英語題名:Deadpool 2
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ライアン・レイノルズ
出演:ライアン・レイノルズ/ジョシュ・ブローリン/モリーナ・バッカリン/T・J・ミラー/ブリアナ・ヒルデンブランド

「デッドプール2」あらすじ

デッドプールことウエイドはヒーローとして悪者を倒す生活を送っていました。しかしある日、それが原因で大切な彼女のヴァネッサが死んでしまいます。その事で自分を責めるウエイドは、何に対してもやる気を失ってしまっていました。

そんなウエイドを見かねたコロッサスは彼にX-メンとして活動する事を勧め、恵まれし子らの学園にウエイドを連れてきます。しかしウエイドはX-メンとして活動する気はありませんでした。
そんな時、児童養護施設の前でミュータントとの少年が暴れているというニュースを聞き、X-メン見習いとして、現場に向かいます。

しかしそこで少年が虐待されていた知ったデッドプールは、施設職員を撃ってしまい少年とともに捕まってしまい、刑務所に入れられてしまいました。刑務所で特殊な首輪をつけられてデッドプールは能力を失い、病気のガンが出てきてしまい弱っていきます。

デッドプールはヴァネッサを失い、死にたいと思っていたので静かに死を受け入れようとしています。そんな時一緒に捕まった少年ラッセルを殺しに、未来からケーブルという男が現れます。人生に絶望していたデッドプールですが、妄想の中でヴェネッサに励まされ、少年を助けるためにたちあがったのでした。

少年を助けようとするデッドプールの物語ですが、その途中に差別に対する思いや、今の社会問題などを詰め込んだ作品になっています。

 

映画「ムーンライト」の原作が物語る意味が深すぎる!

ムーンライト』の原作はタレル・アルヴィン・マクレイニーの「In Moonlight Black Look Blue」です。彼は映画でも脚本に参加しています。

この原作のタイトルは実は映画『ムーンライト』の意味に大きく関わっています。この原作のタイトルはどういう意味だったのでしょうか?そのタイトルからこの映画を見てみたいと思います。

「ムーンライト」のセリフに込められた“In Moonlight Black Look Blue”

原作のタイトルがそのまま『ムーンライト』のセリフにも登場します。
いじめられていたシャロンを助けてくれたフアンは、シャロンと親しくなると彼に水泳を教えてくれるようになります。そして水泳の練習が終わった後、フアンはシャロンにこう言いました。「子供の頃に遊んでいたら、近所のおばさんに月の光の下だと黒人の男の子は青く光って見えるよと言われた」と言うのです。
この「月の光の下だと黒人の男の子は青く光って見える」といのが原作のタイトルになっているのです。

さらにそこでフアンはシャロンに「自分の道は自分で決めろ」と言います。「人に決められた道を歩くな」と少年のシャロンに教えたのでした。貧しくゲイであっても美しいし、だから周りに邪魔されずに生きなさいというフアンのメッセージです。そしてこれは監督や脚本家からのマイノリティや貧困で悩んでいる人へのメッセージでもあったのでした。

ムーンライトの美しい「青」映像

『ムーンライト』の映像はとても美しいです。その中でも特に黒人の人たちがとても美しく感じます。実はそこには特殊な加工がされていました。撮影した黒人の人達の肌に上から青色を重ねていたのです。もちろんこれは原作のタイトルから来ています。青が重なった黒人の人達の肌はとても綺麗で、本当に美しい映像となっています。

そして、ラストシーン故郷に戻って来たシャロンが、昔の親友と再会します。そして親友にもたれながら、本当の自分にかえるというシーンがあります。体を大きくしゲイだとバレないように偽っていた自分から、偽りのない本当の自分を思い出します。
そのラストシーンに子供の頃のシャロンが映し出されます。
夜の海で月の光の中に立っているシャロンです。この時の彼は本当に青く美しく映っていたのでした。

『ムーンライト』は青という色に凄くこだわって作られた映画でもありました。そして劇中の言葉は原作者のタレル・アルヴィン・マクレイニー自身が実際に投げかえられた言葉でした。
映像もストーリーも美しい『ムーンライト』で、自分達の知らないところで起こっている物語を知って欲しいオススメの映画です。

 

映画「ムーンライト」の評価と作品に込められた思い

アカデミー賞作品賞を受賞した『ムーンライト』が製作されるようになったのは、1つの偶然から始まりました。そしてその偶然がこの偉大な作品を作り上げたのです。
監督と脚本家に起こった偶然から、『ムーンライト』に込められて、2人の思いと評価について見てみたいと思います。

映画「ムーンライト」は偶然から生まれた

『ムーンライト』の原作は脚本を担当したタレル・アルヴィン・マクレイニーが書いた戯曲が元になっています。タレル・アルヴィン・マクレイニーはもともとたくさんの戯曲を書いていましたが、この「In Moonlight Black Boys Look Blue」は母親が死んだとことをきっかけに、自分の内に秘めていた思いを書いた作品でした。

しかし彼は個人的な事でもあるこの戯曲を特に誰にも見せることなくしまっておきました。偶然同じ映画イベントに参加していた2人ですが面識はなく、友人を介して原作を目にしたのが監督のバリー・ジェンキンスでした。その時、彼は「In Moonlight Black Boys Look Blue」がゲイについて書かれているので、自分には関係ない話だと思って映画にすることを考えていませんでした。

1度は無くなりそうになった話でしたが、実はバリー・ジェンキンスとタレル・アルヴィン・マクレイニーは同じ小学校に通っていて、1歳違いでした。しかも2人は母親がドラッグをやっているという育った環境も似ていたのでした。

この繋がりに縁を感じたバリー・ジェンキンスが作品にしたいと思い直し、出来上がったのが映画『ムーンライト』です。

「ムーンライト」への評価と監督、脚本家の思い

『ムーンライト』の登場人物はほとんどが黒人です。さらに主人公のシャロンは貧困でゲイです。ハリウッド映画ではマイノリティであって、なかなか彼らに焦点を当てた映画を見る事はできません。

アカデミー賞で脚本賞を受賞した時、監督のバリー・ジェンキンスはこうスピーチしました。
自分達を映す鏡がないと思っている人を支えます」と。
この言葉はかなり深い意味が込められています。鏡とは、映画やテレビなどの事です。

そこに登場する人物に、自分が共感できる人がいないと思っている人を助けますと言ったのです。マイノリティの人達が主役の作品が少なくて、自分達のような存在がは映画やドラマに出てこないんだと、思っている人はたくさんいると思います。特に子供にとってはそれは悲しい事かもしれません。

バリー・ジェンキンスはそんな人達のために立ち上がったのです。そして彼は最後に「見捨てません」と言いました。とても素敵なスピーチで多くの人が感動しました。
今後、ハリウッドでもマイノリティの人が普通に登場する作品がたくさんできる事を期待してます。そしてそれは日本でも同じかもしれません。

映画「ムーンライト」あらすじ・キャスト

映画『ムーンライト』はアカデミー賞で8部門ノミネートされ3部門で受賞した作品です。特に作品賞の発表時は「ラ・ラ・ランド」との前代未聞の間違いもあり、記憶に残っている人も多いと思います。

『ムーンライト』の主人公は黒人でしかもゲイです。普段ハリウッド映画では描かれることの少ない、「黒人」「LGBT」を主人公にしたことで大きな注目を浴びました。また内容も3部作に分かれていて、面白い制作をしています。

『ムーンライト』が作品賞を受賞した前の年のアカデミー賞は白人だらけのアカデミー賞とも言われていましたが、それに対抗するように作られたこの作品はかなり奥深いテーマとなっている作品でもあります。

「ムーンライト」映画概要

題名:ムーンライト(2017年)【 公式サイト
原題:Moonlight(2016年)【 公式サイト
原作:In Moonlight Black Boys Look Blue
原作作者:タレル・アルヴィン・マクレイニー
監督:バリー・ジェンキンス
脚本:バリー・ジェンキンス/タレル・アルヴィン・マクレイニー
出演:トレヴァンテ・ローズ/アンドレ・ホランド/ジャネール・モネイ/ナオミ・ハリス

映画「ムーンライト」あらすじ

シャロンという男の子は学校でみんなからイジメられています。それは彼が女の子っぽい歩き方などをしていたからです。
学校帰りにシャロンがイジメられている所を目撃したフアンは彼を助けます。そこからシャロンとフアンの親子のような関係が始まるのですが、フアンは麻薬の売人でした。

父親がいないシャロンにとってフアンは父親がわりでした。またシャロンの母親は麻薬中毒で、まともにシャロンを育てていなかったため、フアンの恋人のテレサはシャロンの母親がわりでした。2人の家によく遊びに行くようになったシャロンですが、ある日フアンは殺されてしまいます。

子供から成長したシャロンですが相変わらず学校ではイジメられています。そんな時親友のケヴィンと一線を超えてしまいます。しかし次の日イジメのリーダーの指示により、ケヴィンに殴られてしまったシャロンはリーダーに復讐をし、警察に捕まってしまいます。

『ムーンライト』は3部構成になっていて、シャロンの成長過程を描いています。フアンと出会ったことで希望の見えた彼でしたが、フアンを失ったことでまた絶望に戻ります。大人になり街を出たシャロンがまたこの街に戻ってきたとき、彼は本当の自分を見つけたのでした。
美しい映像とともに青年の葛藤が描かれた深い作品となっています。

 

『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』から見る動画配信の現状

ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』はHuluで製作、配信されているドラマです。配信されるとその衝撃的な内容からすぐに話題となり、ゴールデングローブ賞やエミー賞を受賞しました。

『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』が原作に近い内容で製作できたのは、やはりHuluで製作しているというところがあります。現在はHuluを始め、NetflixやAmazonプライムビデオなどの動画配信サービス会社で製作されている作品が話題となっています。
なぜここまで動画配信サービスが話題となってるのでしょうか?

動画配信サービスが受け入れられた生活の変化

動画配信がここまで受け入れたのにはいくつか理由があります。
その大きな理由の1つがテレビを見るというスタイルが変化したことにあります。スマホやタブレットが普及した現在ではネット配信であればいつでも、どこでも手軽に映画やドラマを視聴することができます。

最近では“ユーチューバー”が子どもの憧れの職業になるほど、動画を見る行為は日常になってきています。またこれまでのマスメディアで番組をみるというより、より個人が情報を選ぶようになってきています。また個人の生活の時間がより細分化され自分の場所、自分の時間がより顕著になっています。

そんな中、動画配信サービスで自分の好きなものを好きな時間に自分のペースで見られることがライフスタイルに合っているということでしょう。日本よりももっと勢いがすごいアメリカでは、家にテレビがないという人も増えてきているようです。

「ハンドメイズ・テイル」が示した動画配信のメリット

動画配信サービスの利用者が増えれば、各会社がオリジナルコンテンツを作り始め、他者との差別化をはかりはじめました。
その上で動画配信サービスにはスポンサーがいないことが最大のメリットです。動画配信サービスにおけるスポンサーはすなわちサービス利用者であり、魅力的な動画を作りだすことで顧客サービスになるだけでなく新たな顧客獲得のチャンスも広がります。

従来のマスメディアのスポンサーイメージや信頼を気にすることなく自由に制作ができます。いわば顧客ニーズを最大限作品に反映することができます。
その1つが『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』といえます。今まで見たことないような内容と女性の人権に関わるテーマが時代の潮流と合致した結果の話題性とドラマの人気が興味深い作品です。

『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』もシーズン3まで製作が決まっていますので、ますます面白い展開になっていくと思います。

まだ見ていないという方は動画配信サービス『hulu』で見れます。今なら“2週間無料トライアル”で見放題です。huluは日テレ系、洋画、海外ドラマのジャンルが多いので、ついでに気になる映画、ドラマも見れます。

詳しくは>>> 「映画・ドラマを思いっきり楽しむための“見放題”動画配信サービス」で

ドラマ『ハンドメイズテイル 侍女の物語』原作者が込めた思い

Huluで配信が開始されるとその衝撃的な内容から話題となった『ハンドメイズテイル 侍女の物語』。この作品には原作の小説があります。さらに原作の作者は今回のドラマの脚本にも参加しています。それだけ原作者がこのドラマに込める思いが強かったと言えると思います。

1984年に書かれた小説ですが、設定は近未来です。でも決して遠い未来の話ではなく、現在に近い未来の設定です。30年以上経っていても世界はそんなに変わってない現実に驚かされるドラマでもあります。

『ハンドメイズテイル 侍女の物語』の原作

マーガレット・アトウッドが「侍女の物語」に込めた思い

カナダ人であるマーガレット・アトウッドは1985年に「侍女の」物語を出版しています。彼女がこの小説を書いたのにはその当時のアメリカの政治背景に疑問を持ったからです。

当時アメリカはロナルド・レーガンが大統領でした。レーガン大統領は保守的なキリスト教徒の票を得るために、「中絶を禁止する」という公約を立てます。
なぜなら保守的なキリスト教徒はアメリカの人口の25%はいると言われていて、この人達の票を得ることは、自分が大統領になるために必要だったのです。しかもレーガンはキリスト福音派ではなかったのに、その人達の票を欲しさに、公約を立てたわけです。そして見事レーガンは大統領になりました。

この事実を見ていたマーガレット・アトウッドは、このままキリスト教原理主義に政権に乗っ取られてしまったら、一体どうなってしまうのだろうと思い、この「侍女の物語」を書き上げたそうです。

『ハンドメイズテイル 侍女の物語』から見る女性差別

なぜ、『ハンドメイズテイル 侍女の物語』がこれだけ話題になっているかというと、これをドラマの中の世界だけだと思って見ていないからだと思います。

今現在でもやはり女性は差別されています。それは日本でも変わりはありません。しかもありえないと思っていたことが今、世界で起こり始めています。アメリカの大統領選やヨーロッパのEU問題など。

もしかしたら『ハンドメイズテイル 侍女の物語』のようなことも起こりかねないという恐怖心を感じながらドラマを見ている人も多いでしょう。そしてそれこそ原作者のマーガレット・アトウッドが警鐘していることかも知れません。