Netflix「カーゴ」の映像描写で感じる制作背景とオーストラリアの魅力

異色のゾンビ映画「カーゴ」では、製作国オーストラリアならではの背景が見どころとしてうまく描かれています。雄大さと厳しさ、寂しさを併せ持った風景。そしてミステリアスでたくましいアボリジニの人々。オーストラリア特有とも言える要素によって、「カーゴ」の世界観やストーリーには、独特の奥行きが生まれています。

作品の制作された国の文化や背景、地理的な風景は作品の一部として一体化しているため少し意識して見ることで違った作品の魅力が見えてくるかもしれませんよ。

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そんな映像描写を通して見る「カーゴ」とオーストラリアの見方をご紹介します。

オーストラリアの背景から見る「カーゴ」のあらすじ

人間をゾンビ化させるウイルスが蔓延し、社会が崩壊したオーストラリア。中年男性のアンディ(マーティン・フリーマン)は、妻のケイ(スージー・ポーター)とまだ赤ん坊の娘ロージーを連れて、川の沖合の船を安全地帯にして暮らしていた。

ところがある日、漂流ボートから物資をとろうとしたケイがボート内にいたゾンビに噛まれ、感染してしまう。アンディたちは船を捨てて地上に上がり、治療法を求めて陸地を移動するが、奔走むなしくケイは発症し、今度はアンディが噛まれて感染してしまうのだった。

発症までの48時間のタイムリミットが迫る中、アンディは自分の死後にロージーを任せられる人を捜し求めて旅をしていく。やがて彼は、集落を抜け出したオーストラリア先住民アボリジニの少女と出会うのだった。

「カーゴ」の背景:壮大で寂しげなオーストラリアの風景も見どころ

「カーゴ」はジャンルとしてはゾンビ映画になりますが、ホラー要素は薄目で、ヒューマンドラマやロードムービーとしての色味が強くなっています。

そんなこの映画に欠かせないのが、物語の舞台でもあるオーストラリアの壮大な風景です。「豊かな大自然」というよりは「ひたすらだだっ広く、荒野や草原が混在している」といった様子の景色は、壮大さだけでなく、どこか寂し気な雰囲気も併せ持っています。

風景として美しいだけではなく、主人公アンディの先の見えない不安を表しているようでもあって、独特の切なさが生み出されているのが特徴です。

「カーゴ」のストーリーの鍵になる“アボリジニ”

オーストラリアの自然と併せて、ストーリー面で重要な要素になるオーストラリア先住民「アボリジニ」の人々にも注目です。

文明社会が崩壊した「カーゴ」の世界では、現代的な生活から民族の伝統的な暮らしに立ち返ったアボリジニの人々こそが最もうまく生き抜いている、といった情勢が語られています。

「民族衣装を着て槍でゾンビに立ち向かう」というのはなかなか珍しい光景ですが、インフラが崩壊しても生活を営めて、弾切れもなく音も出ない武器を扱える、という点を考えると、こういった人々こそが最もゾンビサバイバルの中で生き抜く力を持っているのかもしれませんね。

オーストラリアには「入植者たちがアボリジニを差別的に扱い、虐殺した」という暗い歴史がありますが、アボリジニたちがゾンビ化した白人たちを倒していく展開には、そんな歴史への皮肉も感じられます。

いかがですか?これらの背景を知って、映像描写の個性にも目を向けながら映画を観ていくと、また違った感想を持てるかもしれませんよ。

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