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『壬生義士伝』のあらすじ・キャストからのおすすめ度

 
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中井貴一が演じている主人公の吉村貫一郎は、南部訛りが強くお金に対する執着心も人一倍で時代劇の主人公としては異色な存在です。「金の亡者」とも揶揄されるほどの吉村にもどこか憎めないものがあり、ストーリーの進展と共に不思議な愛着が涌いていきました。

経済的な逼迫感の中でも家族への思いやりを忘れることない映画前半での父親の姿から、後半にかけての豹変ぶりには鬼気迫るものがあります。時代の流れに乗り切ることが出来なかった不器用さが、激動の幕末を駆け抜けていった数多くの無名の侍たちに重なり合っていき感動的でした。

幕末の歴史に詳しい方なら結末は容易に推測がついてしまうだけに、より一層吉村貫一郎との別れが惜しまれるはずです。自分自身の武士としての誇りのために、危険を省みることなく果敢に死地に赴く姿には強く心を揺さぶられました。「たそがれ清兵衛」を始めとする、方言を用いる下級武士を描いた時代劇が好きな方にはお勧めします。

 

映画「壬生義士伝」の作品情報・キャスト

監督:滝田洋二郎
脚本:中島丈博
音楽:久石譲
キャスト:中井貴一, 三宅裕司, 夏川結衣, 中谷美紀, 村田雄浩

 

壬生義士伝 あらすじ

かつて新撰組三番隊長として活躍した斎藤一は、明治時代のある冬の夜に風邪を患った孫を連れて小さな町医者を訪れていました。院内に貼られている1枚の写真を見つけた斎藤は、幕末に共に戦ったひとりの同士の姿を思い出していきます。

吉村貫一郎は下級武士として長年に渡って奥州南部藩に仕えて、藩校で家臣の子弟たちに剣術を教えていました。北辰一刀流の使い手であり信頼も厚かった吉村ですが、幕末の動乱を期に藩に見切りを付けて出奔します。自らの運命を当時は京都守護職の管轄にあり尊皇攘夷派の鎮圧に当たっていた、新撰組に託す決意を固めました。愛する家族との平穏無事な暮らしを望みながらも、剣の達人としての腕を見込まれた吉村は組織にとっては必要不可欠な存在になっていきます。

その一方で当時若干20歳にして副長助勤に就任していた斎藤は、金にうるさくがめつい吉村を軽蔑していました。やがて新撰組は維新派との争いに決着をつけるための、壮絶な戦いに身を投じていくことになります。吉村の愚直で勇敢な生きざまを見ていた斎藤の奥底にも、次第に微妙な変化が生まれていきます。

 

管理人ひとくちメモ ★★

浅田次郎原作ということもあり、男性のファンが多い映画作品。個人的にはほとんど印象にない作品。新撰組を扱ったドラマや映画で感動したことがないので、こちらもちょっと・・・。
ただいろいろなレビューを観るとかなり評判がいい作品ですので、わたくしのように新撰組に苦手意識のない方にはおすすめの邦画かもしれません。

映画賞受賞歴/壬生義士伝

第27回日本アカデミー賞 /壬生義士伝

  • 最優秀作品賞
  • 優秀監督賞:滝田洋二郎
  • 最優秀主演男優賞:中井貴一
  • 最優秀助演男優賞:佐藤浩市
  • 優秀助演男優賞:三宅裕司
  • 優秀助演女優賞:中谷美紀

第16回日刊スポーツ映画大賞/壬生義士伝

  • 最優秀主演男優賞:中井貴一

 

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