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映画『リメンバーミー』で描かれた「死者の日」と先祖を崇拝する文化

 
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リメンバーミー』で主人公のミゲルが死者の世界に行ってしまった日はメキシコの「死者の日」という日でした。これは日本でいう「お盆」にあたる日になります。

実は先祖崇拝、先祖が帰ってくるという文化は全世界にあるわけではありません。現在においていわゆる“宗教”と呼ばれる信仰が普及する前は、各地域や土地で伝統的な土着信仰(シャーマニズム)がありました。現在の一般的な宗教では神との個人的な契約という考えが主流のため、シャーマニズム的な先祖崇拝は排除されていきましたが、土地によっては2つがうまく融合しているところもあります。それが現代の伝統・風俗・慣習として残っているものです。

先祖崇拝は特にアジア地域に多く残り、現在に至っています。日本でもその考えが根付いているため親近感がわきますよね。

 

『リメンバーミー』に出てきたメキシコの「死者の日」とは?

メキシコには「死者の日」という日があります。メキシコ語では「ディア・デ・ロス・ムエルトス(Día de Muertos)」と言います。その日が意味するのは日本の「お盆」とほとんど同じです。

お墓に行って、メキシコ料理をお供えします。そして家ではロウソクを焚いて死者が帰ってくるのを待っています。ロウソクを焚く場所は日本でいう仏壇のような場所です。メキシコは仏教ではないので、仏壇ではなく「オフレンダ」と言います。そのオフレンダにはロウソクや死者の写真などが飾っています。さらに死者が家に迷わずに帰ってこられるようにお墓から自分の家までマリーゴールドの花びらを撒いて出迎えるわけです。
形は違えども日本のお盆とほとんど同じですね。

マリーゴールドは『リメンバーミー』の中でミゲルが現実世界に戻るとき、先祖に許してもらうシーンで先祖はマリーゴールドの花びらを持っていました。しっかり映画の中でも、真実に近い事を表現していたわけです。

 

文化や宗教を超えて大ヒットした『リメンバーミー』

アメリカには色んな国から来ている人が多いので、たくさんの宗教が存在していますが、プロテスタントの人が多くいます。
プロテスタントでは先祖崇拝という教えはないようです。死者は神様のもとにいくので、その後に生きている人の元に戻ってくるという考えはありません。それでも『リメンバーミー』はもちろんアメリカでも大ヒットしています。

アメリカ人の多くが異文化に触れ、理解をしめしたのかもしれませんね。日本や中国などアジア地域では先祖崇拝という文化は普通にあるので、当たり前のように『リメンバーミー』の内容を理解できヒットに繋がりました。

ピクサーが製作した『リメンバーミー』は全世界の人たちに異文化を受け入れる、自分達と違うものも受け入れて尊重するという行動を起こさせ、先祖を敬う気持ちを与えた作品かもしれませんね。

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